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2008年12月28日

サッカーの話

11月9日 ヘルシンボリ


あるサッカー選手の話。
彼は、おととしヨーロッパチャンピオンを決める大舞台の決勝で
全得点をアシストする活躍をしました。
欧州一になったスペインのクラブチームは
彼に"来年もチームでプレーして欲しい"と懇願しましたが、
彼は結局首を縦に振りませんでした。
彼が選んだのは、生まれ育った国の小さな町のクラブチームでのプレー。
ずっと、引退場所はこの古巣チームと決めていたらしいです。
去年、36歳になる彼はこの年いっぱいでの現役引退を宣言しました。
しかし今度は、3ヶ月だけ助っ人としてプレーした
この年のヨーロッパチャンピオンのイギリスのクラブチームが、
彼に"うちのチームでプレーして欲しい"とオファーを出しました。
彼が出した答えは、
「オファーはうれしいけど、僕には約束があるんだ」
選んだのは、生まれ育った国の小さな町のクラブチームでの現役続行。
世界一のチームからのオファーを二度断ったサッカー選手
ヘンリック・ラーション。

"家族との時間が減るから"と自国代表も四度断った男。
大統領と国民の署名と
息子の言葉「お父さんの代表でのプレーが見たいよ」で
代表に去年復帰したスウェーデンの英雄。
欲とかけ離れた場所にいる彼は
僧侶のように私には見える。
外見も。
プレーも僧侶のよう。
フォワード選手なのに、静かな存在感。
でも、点は確実に決める。
ラーション動画

彼は、今年37歳。
おととし引退したジダンは彼の1歳年下。
これが本当に、ラストシーズンになる(と思う)。


彼がプレーするチームは、海を挟んだ対岸にあります。
最後の勇姿を見なければ。
と、行ってきました隣の国。
船で20分。

CIMG3667.JPG船に乗ると、おじさんが話しかけてきました。
「どこに行くんだい?」
ラーションを見に行くんだ。
「えーーーー!ラーションは、僕のヒーローだよ!!!ラーションはこの町の出身なんだ。彼の家はここから3キロ離れた場所で、彼の息子の名前はジョーダンで・・・・」
とラーション情報。
彼は、ラーションを見に来た日本人の小さな子を珍しがり、
大歓迎してくれました。
CIMG3670.JPGお昼をご馳走してくれ、
競技場まで案内してくれました。

競技場周りは、こんな雰囲気。
CIMG3676.JPG「大丈夫、いつもの光景だから心配いらないよ」
CIMG3693.JPG「こっちでは、観客の7割が男なんだ」そう
おじさんと別れ、競技場の中へ。
アップするラーション発見。
CIMG3699.JPG真ん中の人。
意外と背が低い。

CIMG3700.JPGボールを持った。

席は全席指定席。
私の席は、
サポーターで揉みくちゃのど真ん中。
指定席のはずなのに、150%の密度。
まるで満員電車。
どうしよう・・・。
と思っている間に試合開始。


こっちのサポーターは、こんな雰囲気です。

前半
ラーションのアシストで1点。
点が入るとこんな雰囲気。

よくこんな中にいたもんだ。
前半終了
スコアは、1-1
CIMG3713.JPG<まともに試合が見れなかったので、
ハーフタイムの時間
逆サイドに移動。CIMG3706.JPG
後半は、
静かな場所で座りながらなので集中して観戦。
ラーションは、
一人俯瞰から試合を見ている感じ。
そんなに動くわけでもないのに、
磁石のように彼にボールが来る。
チームプレーに徹し、
やっぱり、
静かな存在感。
でも、私は見た。
一瞬だけの赤い炎。
コーナーキックの時、
同じチームの若造の首根っこを掴み、
「俺の場所だっ」という雰囲気でどかし、
そこに陣取るラーション。
そして、次の瞬間ヘッドで点を決める。
ああ、これがラーションだ。
鳥肌が立ちました。
そのまま彼のゴールが決勝点となり、
試合終了。
実はこれが今シーズンの最終戦。
最終戦の試合を決める男、
ヘンリック・ラーション。

来年は、38歳。
もう彼のゴールは見れないのかもしれない。

ゆうり

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